【奇跡】母の思い出。迷子になっても楽しい記憶しか残らない理由

エピソード

4歳になる娘とディズニーランドに言った時の話です。

パレード終わり、シートを片付けてる間に娘がいなくなってしまいました。目を離したのは本当に短い時間だったのですが、パレードが終わった人混みで中々娘を見つけることはできませんでした。

もう外は暗くなっていて、パレードを見終わったら帰ろうと考えている時間でした。

 

私は旦那にそのあたりを探すように頼み、自分は迷子センターに向かいました。

迷子センターまで小走りで向かいましたが、その間心配で心配で仕方がありませんでした。

それにディズニーランドとは言え4歳の娘が夜の暗い時間に1人ではぐれてしまった。

どんなに心細いか、どんなに怖いか、娘の気持ちを想像するだけで私は泣き出してしまいそうでした。

 

そして思い出したんです。

 

自分も子供の頃、ディズニーランドに連れて来てもらって両親とはぐれてしまったこと。

とても楽しかった景色が、1人になった瞬間全て恐ろしい物にみえてしまったこと。

忘れもしません、白雪姫のアトラクション前に描かれた魔女の絵を本当に恐ろしく感じたこと・・・。

なぜか不思議と消えていた怖い思い出が、娘とはぐれたことで色々と蘇えってきました。

 

私は迷子センターにつくと息を整えることもせず「娘とはぐれてしまいました!」と伝えました。

「それは心配ですね」と優しく丁寧に対応してくださるキャストさんの声に少し冷静さを取り戻せた私は、思い出せる限り事細かく娘の特徴を伝えました。

すると「良かったですね、娘さんはあちらでお待ちですよ」とキャストさん。

ホッとしました。本当に救われる思いでした。

 

キャストさんが少し奥にはいると、優しそうな女性に連れられて娘が出てきました。

「良かったね、お母さんが迎えにきたよ。」

女性は娘に私が来たことを伝えてくれていました。

 

娘は私をみて安心したのか泣き出し、私はその娘を力いっぱい抱きしめました。

「ごめんね、ごめんね」

私は泣きながら謝ると娘は言いました。

「大丈夫、ビデオをみて待ってたの。」

思いのほかしっかりと応えた娘に安心したと同時に、私は思い出しました。

迷子になったあの日の怖かった思い出に続きがあることを。

 

1人で泣いていた私に優しく声をかけてくれたキャストさんのこと。

連れて行かれた部屋にいた優しい女性が手を握りながら一緒にビデオを見てくれたこと。

母が迎えに来た時の「良かったね、お母さんが迎えにきたよ。」という優しい声。

 

私も同じだった。

少し呆然としていた私に、女性はこう言いました。

 

「お母さん、帰りには今日楽しかった話を沢山聞いてあげて下さい。ディズニーランドに来た思い出が悲しかった思い出にならないように。」

 

ああ、そうか、だからだったんだ。

私が怖かった思い出を今日まで忘れていたのは、

迷子の私を優しく迷子センターまで連れて行ってくれたキャストさんがいたから、

優しく声をかけながら一緒に手を握ってビデオを見てくれた人がいたから、

あの日、母が帰りの車の中で、

一緒に見たショーの話や、一緒に乗ったアトラクションの話をずっとしてくれて、

そんな話をしながら眠ってしまったから、

楽しかったことばかりを思い出に残して、眠ってしまったから。

 

もちろん私も帰りの車の中で聞きました。

「ミッキーが手を振ってくれたの覚えてる?」

「どのアトラクションが一番楽しかった?」

娘が寝ついて返事がなくなるまで、楽しかったことだけを思い出しながら眠れるように。

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