あれはクリスマスイベント中のことだったと思います。
土日の凄い混雑でどこも人だらけ、アトラクションもレストランも2時間、3時間待ちが当たり前の状態でした。
正直子供連れで朝からずっと歩きまわって疲れていた私は少々うんざりしていました。
そんななかひときわ混雑している場所がありました。
少し離れて様子を伺っていると混雑の中心ではこのパークの主役ミッキーがいたのです。
それを見た8歳の息子が言いました。
「僕、ミッキーと写真を撮りたい!」
困りました。
ただでさえ疲れているのに、このとんでもない混雑の中に子供を連れて突入していってミッキーと写真を撮ってくるなんて・・・。
「すごい混んでて今ミッキーも大変だから今度にしないか?」
イライラしているのが顔や声に出ていたと思います。
しかしディズニーなんて年に1度来るか来ないかです。
息子もそれをわかっていますからグズります。
「次っていつさ!今撮りたい!」
息子も疲れがあったのでしょう、いつにもましてグズります。
混雑の中心に目をやると、ミッキーがものすごい数のお客さんに引っ張られるようにしながら無理矢理写真を撮られています。
左手を掴んで写真を撮っている横で右手を掴んで別の人が写真を撮るなんて有様。
あーもう混雑するテーマパークなんて二度と行きたくない。
そう思った時でした。
その混雑が一気に静まり返ったのです・・・
それを見て私も全身に鳥肌がたちました。
奥から様々な衣装を来たミッキーマウスが駆けつけてきたのです!
近くにいるスタッフが大きな声で叫びます。
「ミッキーはみんなと写真を撮るために、魔法の力で増えました!」
静まり返った状況から一転、歓声と拍手が鳴り響きます。
混雑は分散し、息子も夏祭りの衣装を来たミッキーと写真を撮ることができました。
「あーこれが夢の国と呼ばれる理由なんだな・・・」
ミッキーの魔法の力は私の疲れも吹き飛ばしてしまったようでした。